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日本庭園だいぶ日にちが経ってしまいましたが、
ラ・ローズデバンを後にして 次に向かったのが
真言宗 長楽寺
ここは 主人がどうしても行ってみたいというお寺でした。
京都の高台寺(秀吉の奥さんのねねのお寺です)
のお庭を造った 小堀遠州のお庭がありました。
このお寺は 弘法大師が平安初期に開いた古刹で、
寺の北側に陽光を受けて光る巨岩があることから
この巨岩を霊地と見、お堂を作ったそうです。
後の今川・徳川の時代も信仰を集め、寺領25ヘクタールを持って繁栄しました。
戦後農地解放で寺領を失い一時荒廃しましたが、収入を得る為に雑草林を開いて実を取る為に植えた梅が庭の奥にあるようです。
さて、小堀遠州守政一公作の「満天星のお庭」
静岡県重要文化財指定
池は浜名湖を表し、その上に龍を見立てた松の木(臥松)は水面近くまで枝を伸ばして有ります。
築山から見ると 本堂の奥に本物の浜名湖が広がっているそうですが、曇っていて見えませんでした。
小堀遠州**
どんな人物でどんな庭を造っていたんでしょう。
名前は小堀政一という安土桃山時代から江戸時代前期の大名だそうです。
将軍に茶道を教えていた(千利休のように)茶人でもあり、駿府城や松山城、名古屋城の修復などにもかかわった建築家(作事奉行)でもあり、そして作庭家であったようです。
作庭では二条城や高台寺、岡山の頼久寺など たくさん有るそうです。
特徴は深く刈り込んだ樹木や切石を配置した庭園だそう。
長楽寺のお庭も整然とした感じがします。
春は白いベル状の花が咲き、秋は紅葉の美しい庭が現れるそうです。
境内を囲っている土壁は室町時代のもの
京都旅行でも時々修復されず朽ちて行く様のままの
土壁や建造物を眼にしたことがあります。
実は、日本の文化にはこの「朽ちて滅び逝く美」
という美意識があるそうです。
あえて修復はしない と言うのが正論という感性
分かるような気がします。
土壁の横の護摩堂には鎌倉時代に作られた等身大の馬頭観音像(本尊 文化財)が三体あり、威厳を湛えています(撮影は控えました)
実は外でお庭を拝見する前に、本堂にあげていただき
本堂の格子窓の横の窓から、「満天星の庭」を拝見しました。
女性の方にお茶とお菓子と説明を頂き、室内の襖絵(無名の作家らしい○峰とあり)にも興味を持って見させて頂きました。
襖はほころびが多く、色も剥げかかっていましたが、朝顔の鮮明な青い色は今も美しく残っています。
梁にも見事な彫り物があり、京都の寺院と比べても見劣りがしません。
写真を撮るのをためらいましたが、後から撮っておけば良かったと残念に思いました。
300年近い歴史をもつ本堂を解体したときの
建材を使って作られた鐘楼
梵鐘は 嘉元三年(1305年)作 静岡県の重要文化財
このお寺は現在住職がおられず、訪れる方も少なく荒れてしまっていると嘆いておられました。
出来れば県や市町村で、
龍澤寺 ・
本興寺と並ぶ、遠州の三名園と呼ばれているこの文化財を守っていって欲しいなと思います。